カラーアイテム花盛り!お客様に似合うカラーの提案法
この春夏はカラーアイテムが花盛り!
春夏コレクションが終了した当初、バイヤーやファッション誌のエディターの間で最も注目されていたのは、民族的なディテールや柄、アイテムでした。「リラックス感」がすべてに通ずるキーワードだったために、カラーについても、ヌーディーカラーを中心に自然体で着こなせる薄い色味のものがトレンドとなるだろうと予測されていたのです。
しかし実際にシーズンを迎えると、ヌーディーカラーだけでなく、鮮やかなイエローやグリーンも人気を集め、ショップの店頭は一挙に花が咲いたようにカラフルなもので埋め尽くされました。カラーアイテムは着こなしやすいトップスだけにとどまらずボトムでも取り入れられ、街ではフレアミニスカートや、タイトなカラーパンツを取り入れたスタイリングが多く見られました。
中でも注目されたのが、ユニクロのカラージーンズです。同社のジーンズは、すでに全世界で年間1,000万本以上の販売実績がありますが、その人気をさらに伸ばすべく、この春はウィメンズで15色、メンズで16色、キッズで6色の合計37色というカラージーンズを発売。CMには藤原紀香さんと大沢たかおさんを起用し、値段は高いものでも3,990円に抑えるという戦略で、同社のジーンズの年間販売本数の15%の売り上げを占めることを目指しました。
その効果もあり、ユニクロの2009年3月の売上は増加。消費が振るわない状況の中、国内直営全店で、前の年に対して売上が13.2%増、客数は14%増という驚くべき数字を叩き出したのです。
これからのカラーアイテム販売
ユニクロのように豊富にカラーバリエーションを揃えることは、一般的にアパレルメーカーでは避けられてきたことです。それは、カラーバリエーションが広がるほど、人気のないカラーが売れ残るというリスクが高くなるからです。必ず売れるであろう無難なカラーか、トレンドカラーに絞って発売した方が効率的だ、と考えるのです。
しかしこうした考え方では、自ブランドと他ブランドの差別化ができません。お客様の目を引く仕掛けを常に探っているアパレル業界では、今後は独自のカラー展開を行うブランドが増えていくことが考えられます。
そこで身につけておきたいのが色の知識です。販売スタッフなら、お客様に似合う色を見分ける力は、大きな接客スキルとなるでしょう。また、デザイナーやMDなどの企画職なら、店頭に並んだときに美しい調和を生む色のグループを知っておく必要があります。そこで今回は、色彩の知識の一つとして、「パーソナルカラーシステム」をご紹介します。
自分に似合う色「パーソナルカラー」とは
パーソナルカラーシステムとは、イメージマネジメントの先進国であるアメリカで生み出された、色彩の調和論に基づくシステムです。日本では1980年代に紹介され、外見に対する意識の高い人を中心に広まっていき、現在では百貨店でパーソナルカラーを診断するサービスを取り入れるなど、アパレル業界にも徐々に広まっています。
パーソナルカラーシステムでは、その人の肌や髪、瞳の色に最も調和する色のグループを診断していきます。カラーグループは、その色調から、黄みの強い色のグループである「イエローベース」と、青みの強い色のグループである「ブルーベース」の2つに分かれています。それらをさらに2つずつに分けた、計4グループのどれが最も似合うかを診断していきます。この4グループはそれぞれ四季の色を連想させることから、季節の名前が付けられています。

スプリングタイプ
イエローベースで、透明感のあるカラーのグループ。春に咲く花々やフレッシュな柑橘系を思わせる、明るくキュートな色です

サマータイプ
ブルーベースで、ソフトなカラーのグループ。
アジサイを思わせる、パステルトーンの上品な色です

オータムタイプ
イエローベースで、深みのあるカラーのグループ。柿や栗などの果物や紅葉を思わせる、落ち着いた色です

ウインタータイプ
ブルーベースで、ビビッドな色か、薄いカラーのメリハリのあるカラーグループです。クリスマスカラーや白に限りなく近い色などがあり、都会的でシャープな印象です
正式な診断では、それぞれのカラーグループのドレープ(布)を顔の前にあてていき、印象がどう変わるかを見極めていきます。似合うカラーグループのドレープをあてたときには、顔色が明るく見えたり、瞳がキラキラとして見えたりといった効果が見られます。逆に似合わない色をあてたときには、顔色が悪く見える、実年齢より老けて見える、顔から色が浮いて見えるといった影響が表れます。
パーソナルカラーをアパレルの現場で活かすには
カラードレープを使った本格的な診断は、専門的な勉強を積まなければできません。しかし、その人がイエローベースかブルーベースかを簡単にチェックできる以下の項目を知っていれば、特に販売の場面ではおおいに活用できるでしょう。
- パーソナルカラー 簡易チェック方法
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肌(とくに顔)の色は? ①ピンク系 ②ベージュ系 瞳の色は? ①黒系 ②茶系 もともとの髪の色は? ①黒に近い ②茶色に近い - ①に多く当てはまる人はブルーベース
- ②に多く当てはまる人はイエローベース
このチェック方法で、お客様がイエローベースなのかブルーベースなのかを素早くチェックし、それに合ったカラーアイテムをおすすめしてみましょう。顔の前にあてて、「お客様の肌色はおそらくイエローベースですから、この黄味が強いカラーは顔色が明るく見えておすすめです」といったトークとともに商品を差し出せば、販売スタッフとしての信頼性が高まることは間違いありません。
また、それぞれカラーグループの中の色同士で組まれたコーディネートは美しく調和しますから、商品企画の際、どんな色を展開にするか決めるのにも役立ちます。
ファッションとは切っても切れない「色」について、パーソナルカラーという切り口から知識を深めておけば、アパレル業界に入った時に様々な場面で役立つことでしょう。興味がある方は、まずは自分のパーソナルカラーを診断してもらうことから始めてみてはいかがですか?
PROFILE

- パーソナルスタイリスト
久野 梨沙(ひさの りさ) - 大学在学中、認知心理学・色彩心理学を研究した後、大手アパレルメーカーで商品企画・マーケティングを担当、手がけた商品の売上総額は年間60億円に上る。現在はパーソナルスタイリスト、ファッションライターとして活動中。アパレル業界への就職を目指す人へのアドバイス業務も行っている。




