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Ron Herman
(ロン ハーマン)
『ウィー ウィッシュ ユア メリークリスマス♪ウィー ウィッシュ ユア メリークリスマス♪、ウィー ウィッシュ ユア メリークリスマス、着席ぃいぃいいぃいい!
児玉さん、お願い致します』
『おう!』
今日からクリスマスシーズン開始。このシーズンは売上げが急激に伸びる時期だから会社としても絶対にしくじる訳にはいかない。だから気合いを入れるため朝礼に東日本統括マネージャーの児玉(こだま)さんがわざわざ来て、朝礼の言葉を言いに来てくれてるんだ。児玉さんは、仁番田さんの上司にあたる人で普段は泣く子も黙る八戸店の店長も兼任するスゴい人。朝から気合いが入るような話をきっと聞かせてくれるに違いない!
『今日から我が社の売り上げを大きく占めるクリスマスシーズンが始まる。今年の目玉は、ずばり袋だ!俺が総責任者で夏から水面下で進めてきたプロジェクト「梟」のことを話したいと思う』
袋専用データーベースの「梟(ふくろう)」!?完成していたのか!
『これまで、われわれの弱みは情報の統一だった。個々の能力、組織としての力は非常に高いが情報の共有という意味では他社に比べ出遅れていたと言っても過言ではない』
そう、ウチはガチの体育会系で組織としての力はあるけどお互いの競争心からかどうしても情報の共有、伝達っていうのが遅れてたんだ。
『例えば、お客様がこの袋を売りたいとご来店された時。パッと見てブランドがわからない時は、「白、RH、濃紺」と打ち込めばすぐにデーターベースからキーワードに引っかかる画像とブランドが表示される。これで、この袋がRon Herman(ロン ハーマン)のものだとわかる。さらにRon Hermanがどういうブランドか知りたいときは、詳細な情報も個別の部分に載っている。おい、斉藤!このブランドがどういうブランドが言ってみろ』
斉藤は、俺の同期。半端じゃない押しの接客でメキメキ売り上げを伸ばしている、できるヤツだ。
『ハッ!ご質問有り難うございます!Ron Hermanは、セレブ御用達のロサンゼルス発のセレクトショップで、国内ではサザビーリーグがライセンスを取得して展開。出店地も千駄ヶ谷や二子玉川など通常のセレクトショップの出店戦略とは違い独自の高級路線をとっています』
さすがは斉藤だぜ。レスポンスもさることながらビジネスネタもしっかりと入れて、厚みのある説明だ。
『うむ、30点!』
斉藤を見ると、えっ!?という表情を浮かべている。
『Ron Hermanの発音がダメだ。それができたら100点だったんだがな』
すげぇ、内容よりも発音の方が比重がでけぇ。
『申し訳ありませんでした!!!』
『まぁ、いい。これまでいっさい袋の知識がなくともそういう説明ができる、それが梟の肝だ。これまで個々の能力に頼ることしかなかった情報を、共有し助け合う。俺たち脳筋販売員をインテリジェンス層に引き上げてくれるんだ』
児玉さんはここで手を振りかざして続けた。
『競争は確かに必要だ。だが、俺たちはともに助け合いそれを生かしてこそパイレーツなんだ!梟は、ただのデーターベースなんかじゃない、それを気づかせてくれる愛なんだよぉおぉ!』
児玉さんは最後には絶叫に近かった。梟にかける思い、出来上がるまでに繰り返しただろう葛藤と地道な作業、完成の喜び様々な感情がいつの間にか爆発したんだろう。
周りも気分が引き締まるどころか、感極まって泣いているやつもいる。そう、この熱さこそが俺たちの強みなんだ!と思ったのもつかの間、児玉さんから予想もしてなかったひと言が。
『...という夢を昨日見た』
まさかの夢オチ!
『梟の完成はまだ未定だ。甘えるんじゃねぇ!仕事は、気合いと根性でやんだよ。お客様がトナカイが欲しいって言ったら、ソリごと引きずってこい!今年もやるぞ、正拳突きのポーズだ!』
『はいっ!!!!』
全員が一斉に直立不動から正拳突きのポーズになる。
『いくぞぉお!』
『セイッ!セイッ!セイッなる夜に!
セイッ!セイッ! セイッ功するには!
セイッ!セイッ! セイッ心誠意!
セイッ!セイッ! セイッ、イエス!.........』
今年のクリスマスも筋肉と根性で乗り切りそうだぜ!
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- 縦:250mm
- 横:250mm
- 襠:10mm
- 持ち手長さ:500mm
- 持ち手タイプ:紙
- 素材:紙
- カテゴリー:セレブ過ぎてマイナーになりたいとき




























































